適応するということ

春眠暁を覚えず
「春の眠りは朝が来たことに気付かないほど心地よく、寝過ごしてしまう」
さわやかな季節になってきました。
新しい学校へ、新しい学年に、新しい職場へなど、心機一転、新しい事が始まる方も多いと思います。ゆっくり朝寝坊しているわけにはいきませんね。
新しい環境への、わくわく、ドキドキ?それとも漠然とした不安?
きれいに咲く桜に見守られながらも、期待と不安を覚える季節。
適応するという事について考えてみました。
目次
適応(adjustment)と順応(adaptation)

(現代国語例解辞典 小学館より)
適応とは
ある条件や要求などにあてはまること。
また、あてはまるようになること。
順応とは
環境や境遇に従ってそれに適応すること。
つまり、自分から馴染もうとして、うまく生活ができていることが適応(能動的)、
新しい環境に単に当てはまるのが順応(受動的)といえるのかもしれません。
新しい世界に入りそこで適応していく、簡単なようで簡単ではない複雑な世の中、適応するのが難しく感じる事もありますね。
ホームズとレイ(Holmes & Rahe)の社会的再適応評価尺度
人生に大きな影響を及ぼす出来事や生活上の大きな変化(ライフイベント)を経験することが心身疾患のリスクを高める
その重大性の程度によって点数化したものである。
配偶者の死は100点、では、進学は26点、職場の配転は36点
皆さんはこの点数をどう感じますか?
そんなにストレス度合は高くないよね?それとも、やっぱりストレスに感じるよね?
ストレスは悪い事だけでなく、一般的に祝福される出来事でもストレスになりえます。
適応障害とは

適応障害をご存じですか?
有名な芸能人が適応障害で活動を休止するなどTVから知った人も多いと思います。
では、適応障害とはどんな障害なのでしょうか?
ここでは詳しくは触れませんが、適応障害の診断基準には、アメリカ精神医学会のDSMと世界保健機関(WHO)のICDがあります。
私が、メンタルヘルス検定の試験勉強で覚えた事は、適応障害の発症は、はっきりと確認できるストレス要因の発生から1~3か月以内で、そのストレス要因がなくなったら、症状の持続は通常6か月を超えない事。
また、適応障害とは日常のストレスに囚われ、うまく適応できずに他の精神障害に当てはまらない程度のストレス反応が出る事です。
どんな人でも嫌な事や辛い事があれば、落ち込み悩みます。でも、それが過剰になって対応しきれなくなった時に色々な症状が出ます。
そう考えると特に珍しい事ではなく、誰でもかかるかもしれない症状だと言えます。
新しい環境になった時、すっと馴染む事ができる人とストレスを感じて馴染めなくて体調不良になる人がいます。それは、ストレスに対応する力が人によって違うからです。
一般的に症状がでやすいのは、几帳面で頑張り屋さん、いわゆるいい人だそうです。
転職と適応

私の場合を思い出して考えてみました。
私の罹った病気
バセドウ病(メニエール病/心臓神経症からのパニック障害)
どれも原因はストレスが関係する病気です。
(バセドウ病以外はきちんと診断名はついていません)
諸事情で転職、新しい環境、今までの自分の経験が活かせるぞと張り切る
→価値観の違う細かいルールがあり、戸惑う(ストレス発生)
→職歴の長い人達の中に入りなかなかローカルルールを覚えられない
→以前は責任者だったと自負がある(プライドが邪魔をする)
→今回は短時間のパート→パートだからとその場しのぎに扱われる(情報がもらえない)
→腹が立つが言い返せず素直にはいと返事をする
→仕事をする気が失せる→できない人と思われているのではないと自信を無くす
→会話のない職場→質問するにも気を遣う→細かい失敗はすかさず指摘される
→本来真面目で頑張り屋なので、負けないよう努力する(戦闘モードで頑張る)
→要求されるように仕事はこなす事ができるようになるが、雰囲気には慣れない
→仕事が嫌になる
→ギリギリまで頑張るが身体症状が出る(疲れ果てる)
→会社は私一人辞めても困らないし、私の体が壊れても何もしてくれはしないと結論
→逃げるが恥だが役に立つ→退職する
→新しい職場に行く→募集があるのは、何らかの問題がある職場が多い
→悪循環に陥いる。

私の経験の一例を少し誇張して書きましたが、適応できなくなり、身体に症状が出ました。
自己分析をしました。私は今まで色々な職場で色々な経験をしてきたというプライドがありました。即戦力を要求されてそれにこたえる自信があったにも関わらず、価値観の違いが大きい職場で戸惑い自分の力が発揮できないもどかしさを覚えたのと同時に職場でどう思われているのかを気になり始めた事で適応できなくなっていったのだと思います。
適応するということ
現代のストレス社会に適応していくのはなかなか困難を伴います。
多種多様な選択肢がある時代、急速なデジタル化が進み、家族の在り方、雇用形態、生活様式などに適応していく事に難しさを感じる方も多いと思います。
日本人に特有の「和を以て貴しとなす」や、「空気を読む」など適応して当たり前という風潮が追い打ちをかけているように思います。
では、どのように対処していけばいいのでしょうか?

まず、自分をよく知る事、自分の思考のくせを知る事。
理想の自分と現実とのギャップを理解する事。
感じているストレスの正体を見極める事から始める事。
ストレスに対応する方法(ストレスコーピング)を習得する事。
適応できていないなと思ったら、誰かに相談する事。
体に症状がでてくるようなら、その環境から離れる事。
終わりに

自分で選んだ環境が自分が思ったものと違っていても、目の前に大きな壁が立ちはだかりぶつかったとしても、八方塞がりだと思ったとしても、大丈夫、きっとどこかに道は繋がっている、方向転換して進んで行けばいいだけ。
その道案内してくれる人があなたの傍にいるはず、一人で抱えないように。前を向いて自分なりに精一杯歩いて行けばいい、人生は一度きり、後悔のないように。


